中東情報分析

イスラーム過激派モニター(会員限定)

サヘル地域のイスラーム過激派:マリ国連部隊の撤収とニジェール政変の影響

No.M23-06 サヘル地域のイスラーム過激派:マリ国連部隊の撤収とニジェール政変の影響

 サヘル地域(主にマリやブルキナファソ、ニジェール)では、イスラーム過激派組織による攻撃が多発し、治安状況が悪化の一途を辿っている。こうした中、マリでは2013年より展開中のMINUSMA(国連マリ多面的統合安定化ミッション)が2023年末までに撤収することが決定された。また、今年7月末にニジェールで軍事クーデターが発生し、政治的混乱が生じている。仏軍のニジェール撤退やロシアの民間軍事会社「ワグネル」の展開の可能性もあり、今後、ニジェールでの治安維持能力の変化が過激派の勢力拡大につながるかが注視される。
 本稿では、まず犯行声明よりイスラーム過激派の活動実態について考察する。次に、MINUSMAのマリ撤収とニジェールの政変がサヘル地域の治安情勢に及ぼす影響を検討する。

【目次】
1. 犯行声明から見る過激派組織の活動実態
2. マリ国連部隊撤収による治安上の影響
3. ニジェール政変がサヘル地域の治安状況に及ぼす影響


PAGE
TOP